Speaker
Shigeyuki KARINO
(Kyushu Sangyo University)
Description
OB星をドナーとする大質量X線連星系では,ドナーからライン加速過程により噴き出した星風がコンパクト天体に降着し,X線で輝く.
しかし,コンパクト天体からのX線による星風物資の電離は,ライン加速過程を阻害するので,質量降着により星風速度は変化する.
星風速度が大きいと質量降着しにくくなるため,X線による電離は質量降着過程に負のフィードバックを及ぼす可能性がある.
ここではトイモデルを用いた数値計算により,コンパクト天体への降着率および星風物質の電離度が自発的に振動することを示す.
結果として生じる間欠的な質量降着は,短時間のX線変動の原因となり得る.