Speaker
Mariko Kato
(一般)
Description
「明るい恒星だと思っていたのに、実は新星でした」という天体に
ついて。
新星の光度曲線はさまざまだが、だいたいは増光が検出され、光度が
ピークに達したあとで、ゆっくり暗くなるようなものが多い。遅い新星
(slow novae)ではピークがいくつもあったりするが、その後はゆっくり
減光する。これまでに出現した中で、最もゆっくりした新星は PU Vul
で、増光に2年、ピークは平らで8年の長きにわたり、観測家が
「これはいったい新星なのだろうか否か」と議論しているうちに、
輝線があらわれ、減光とともに紫外線も検出され、ようやく新星だと
確定した。今回発表する CN Cha は、平らなピークが3年続き、その後
ゆっくり減光した。PU Vul に続く2番目の flat peak な新星である。
実はこの天体は、鋭いピークをもつ新星と、新星とは思えないほど長い
進化をする新星の中間に位置する、理論的にとても重要なものなのである。観測家のみなさん、このような新星があることを心の隅にいれて、
ぜひとも3番目の flat peakな新星をみつけてください。