Speaker
Tomoki Omama
(総研大)
Description
本発表ではスペクトル情報とタイミング情報を同時にモデル化することにより、ブラックホール連星(BHB)の新しいデータ解析手法を紹介する。本研究の根幹をなす統計モデルである状態空間モデルは代表的な時系列モデリングの1つであり、観測モデルとシステムモデルの2つのモデルで時系列を記述する。システムモデルは状態変数の時間変化の様子を、観測モデルはその状態変数の関数として観測変数が得られるとしてモデル化する。本研究では、状態変数にエネルギースペクトルの成分の変動、観測変数にバンドごとのカウントレートの変動を対応させることでエネルギースペクトルの情報を組み込んだ時系列モデリングが達成している。状態変数の推定によって、これまで得ることのできなかったエネルギースペクトル成分の時間変動を推定することが可能となる。発表ではこの手法をBHBである MAXI J1820+070 に適用した結果と得られる知見を紹介する。